京都のエコシステムについて

〜京都は、インターネットの新しい時代にとても親和性が高いと思う〜


2013年12月08日

東京と京都の違いは、ニューヨークとシリコンバーレーの違いに通ずるものがある。
具体的には、東京は、変化が激しく、マーケティング的で、ものを売ることに向いているように思われるが、
京都は静かにものづくりに打ち込める土壌があり、イノベーションが生み出せる可能性があると感じる。

人と人が出会うという意味も違って見える。
東京は、情報の交換が中心であるが、京都は一緒にものを作る機会にフォーカスされている。

シリコンバレーは、VC、大学、ちょっとだけリーズナブルで広い土地がちょうどよいエコシステムを生み出してきた。
東京は、VC、大学を兼ね備えているが、土地がベンチャーにとっては高すぎる気がする。

だから、東京だと何かを始める場合、ビジネスになるかがどうしても焦点になってしまう。
京都では、面白いかどうかが、スタートするかどうかの価値基準だ。

イノベーションは、ビジネスになりえるかどうかという短期的な視点ではなく、
長期的な視野にたって、人生を変えるものを生み出す必要があるのだと感じる。

例えば、京都は着物の産業が盛んだが、着物は素晴らしいシステムだと思う。
ベースの着物があり、帯、風呂敷、下駄・草履、様々なパーツがある。
着物屋さんがあるから、その他の業者さんがある。そこには、イノベーションがある。

スマフォがあるから、アプリがある。着物があるから、帯、風呂敷がある。

着物のファッションの変化にあわせて、帯や風呂敷も、新しいデザインが生み出され、
パトロンが新しいデザインにお金を出す環境もある。

また、着物だけではなく、着物を着るに相応しい、お茶・歌舞伎などのライフスタイルもある。
着物があるからこそ、文化があり、文化があるからこそ、着物がある。
これは、素晴らしいエコシステムだと思う。

また、SNSをベースとしたソーシャルな評価にも通じるようなお付き合いを京都はとても大切にしている。
マーケットは環境だと思う。京都は本格的なインターネット時代に相応しい場所だと感じている。

これからの500億デバイスの Internet of Things の時代に、まだ、本命はないと思う。
新しいものを生み出す必要がある。


クリストファー(久利寿)テイト

1988年米国ワシントン州生まれ。Apple Macを3歳で使い始め、4歳でHTMLによる開発、5歳でC言語によるソフトウェア開発を始める。 17歳でZooomr社を創業、19歳で日本に入国。2008年4月に日本で設立した株式会社ブルーブリッジを創業。次世代通信の問題解決を担うべく、2010年12月にコネクトフリー株式会社を設立し代表取締役総合開発責任者兼CEOに就任、現在に至る。

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